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壁紙とは壁紙とは

壁紙の歴史

壁紙は紙製の内装仕上げ材としてヨーロッパで作られ始めました。現物が残っているもので言えば1509年の英国ヘンリー8世の出した布告文の裏面に、ざくろの柄を様式化した模様を一色刷りした紙がケンブリッジで発見されております(1911年)。文献上は8世紀頃から紙に意匠を印刷したものを文房具や壁面に貼るという行為が記録されております。これが普及するためには製紙技術と印刷術の進歩が必要でした。16世紀からは印刷された内装仕上げ材として壁紙がヨーロッパ主要国で広く普及しております。

壁紙が登場する前までの室内装飾材料は、フレスコ画、毛織物、革壁などです。これらは今でも残っておりますが、為政者の建築物や教会など、限られたところで使用された装飾材料でした。代わって、当時最先端であった紙を素材に、印刷、エンボスなど様々な加工法によって比較的大量に生産でき、工芸品に比較すれば安価な装飾材として壁紙が普及していきました。

紙を加工する文化は中国から日本にも伝わりましたが、わが国では屏風、襖、障子などの装飾材として発達しました。壁面に張られたことが分かっているものは17世紀の茶室の腰張り(塗り仕上げの表面の砂などが落ちないように腰壁に貼った和紙)として現存しています。

江戸末期には西洋の金箔加工の革壁が渡来し小物に加工され「金唐革」として珍重されました。これに刺激され、屏風・襖の加工技術と和紙の紙質を工夫する技術(擬革紙)とが結びついて、「金革紙」という輸出品を生み出しヨーロッパで人気を博しました。

ところで壁紙とは一定の幅で連続柄で仕上げることができるもので、一品生産的な工芸品とは異なる特徴があります。19世紀末にはアールヌーボーの影響を受け、自然物をデザインして連続柄として仕上げる専門家も登場しインテリアデザイナーの走りと言える人たちが活躍することになります。英国のウィリアム・モリスなどが代表的な人物でした。

戦後の壁紙は当協会の沿革にもあるように、東京オリンピック時のホテル建設ラッシュによる需要がきっかけとなり、住宅公団に採用されるとなどを契機に住宅に使用され、普及に拍車が掛かりました。

現在では紙、繊維、塩ビ(その他プラスチック)、無機質などを素材とする「壁紙」が多く生産されております。目的と予算に応じ柔軟かつ多様な仕上げが可能なインテリア製品として、壁紙をお取扱いいただきたいと存じます。

壁紙の種類

壁紙は材料区分により「紙系壁紙」「繊維系壁紙」「塩化ビニル樹脂系壁紙」「プラスチック系壁紙」「無機質系壁紙」「その他」に分類されます。

1.紙系壁紙

紙(普通紙、難燃紙、紙布)を主素材とする壁紙。
ただし表面化粧層にプラスチックを20g/m 2以上使用したものを除く。

2.繊維系壁紙

有機質の繊維を主素材とする壁紙。
植物性繊維またはレーヨン等のセルロース系再生繊維を主素材とするもの(化学繊維との混紡・ 交織などを含む)。
化学繊維(アクリル、ポリエステル等)を主素材とするもの。
動物性繊維織物を主素材とする壁紙。

3.塩化ビニル樹脂系壁紙

塩化ビニル樹脂を主素材とするか、または表面化粧層に20g/m2以上塩化ビニル樹脂を使用している壁紙。
裏打ち材には普通紙、難燃紙、無機質紙、織布などが用いられることがある。

4.プラスチック系壁紙

塩化ビニル樹脂を除くプラスチックを主素材とするか、または表面化粧層に20g/m2以上プラスチックを使用している壁紙。
裏打ち材には普通紙、難燃紙、無機質紙、織布などが用いられることがある。

5.無機質系壁紙

無機質紙・無機質骨材・ガラス繊維など無機質を主素材とする壁紙。
ただし、表面化粧層にプラスチックを20g/m 2以上使用したものを除く。

6.その他

特有の施工法による壁紙。その他上記の5種類に該当しないもの。


紙系壁紙 繊維系壁紙 塩化ビニル
樹脂系壁紙
プラスチック系
壁紙
無機質系壁紙 その他



加工紙
紙布
和紙
織物
植毛
化学繊維織物
化学繊維植毛
化学繊維不織布
絹織物
塩化ビニル プラスチック
オレフィン
水酸化アルミニウム紙
骨材
ガラス繊維
合成紙
どんす張り
塗装仕上げ
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