ISM壁紙の背景

  近年、建築物の住空間における室内空気環境問題が大きく取り上げられています。 住空間において大きな面積を占める壁、その壁に張られる壁紙の安全性をより追求していくため、日本壁装協会は1995年に「健康と安全に配慮したインテリア材料に関するガイドライン(インテリア材料の基準値)」を制定し、ISM(Interior Safety Material = インテリア セーフティ マテリアル)をスタートさせました。 1996年、ガイドラインに準ずる商品の供給に向けて「ISMマーク表示制度」を発足しました。 1997年にはISMの公正・中立な運営のため第三者(学識経験者)による「ISM機構」を設置しました。 基準の制定・改正、工場審査、製品審査、品質管理体制の確認までの全てを第三者機関である「ISM機構」が行っています。 2005年、国における規制の変遷もあり「壁紙の環境技術基準」の改正を行い、全ての工場、製品の再審査を経て2007年より新しいISMとしてスタート致しました。

ISM機構とは?

ISM機構は健康と安全に配慮した高品質なインテリア材料の供給を目的として設立された第三者機関です。
ISM機構は
委員長:田辺 新一  早稲田大学理工学部建築学科・教授
その他数名の学識経験者から成り立っています。
表示工場の審査は、ISOの審査員が行っており、別途審査委員会で審査しております。

ISMの理念

ISM機構は「住空間における人への安全・健康に配慮し、快適な暮らしを提供」することを目的として、次の5項目を誠実に実施し、社会に寄与することを目指します。

1.環境に配慮された原材料を使用し、国際基準レベルの品質管理システムを有する工場で製造されること。
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2.安全規格を満たした材料で、かつ品質維持の確かな流通体制により安定供給され、適切な施工方法が確立されていること。
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3.建築空間の用途や設計条件に見合う材料の提供と、選択の容易性を備えていること。
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4.適切な建築副産物の処理対策が確立されていること。
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5.品質の長期安定確保のため、取り決められた品質に関する報告や、製造工場などの立ち入り検査などの追跡調査を実施すること。

ISM機構と日本壁装協会の関係

・日本壁装協会は、ISM機構の指導のもとISM壁紙の管理・運営を行う。

住宅に関わる国と日本壁装協会の流れ

事項
1995年「健康と安全に配慮したインテリア材料に関するガイドライン」制定
1996年建設省・厚生省・通産省・林野庁、学識経験者、産業界 により「健康住宅研究会」発足
厚生省 ホルムアルデヒドの濃度指針値「0.08ppm以下」示す
「ISMマーク表示制度」制定
1997年「ISM機構運営委員会(今泉委員長)」発足
1998年健康住宅研究会「設計・施工ガイドライン」「ユーザーズマニュアル」公表
1999年住宅生産団体連合会「住宅内の化学物質による室内空気質に関する指針」公表
ISM「環境技術基準」制定
2000年国土交通省・経済産業省・厚生労働省・環境省・林野庁、学識経験者、産業界により「室内空気対策研究会」発足
国土交通省「住宅品質確保促進法」住宅性能表示制度開始
2001年「室内空気対策研究会」実態調査公表
住宅性能表示制度に5物質の濃度実測値等の項目追加
2003年国土交通省 建築基準法改正「シックハウス対策」施行
シックハウス対策の自主管理制度開始
厚生労働省「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(ビル管法)改正
2004年環境省「改正大気汚染防止法」公布
文部科学省 学校環境衛生の基準におけるシックハウス対策
千代田区 住宅の衛生的環境の確保に関する要綱
2005年新ISM「壁紙の環境技術基準」制定
「ISM機構運営委員会」田辺委員長・今泉顧問に
2006年ISM壁紙製造工場15社15工場登録
環境省「改正大気汚染防止法」施行
2007年新ISM壁紙スタート